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東京地方裁判所 昭和44年(特わ)97号 判決 1969年5月31日

本籍

東京都台東区下谷二丁目四番地の一

住居

同都同区下谷二丁目二〇番四号

洋傘等製造販売業

高橋成治

大正七年三月三日生

右の者に対する所得税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官屋敷哲郎出席の上審理して、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役六月および罰金一〇〇〇万円に処する。

被告人において右罰金を完納できないときは、金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、東京都台東区下谷二丁目二〇番四号に店舗を設け、洋傘等の製造・販売を業としていたものであるが、自己の所得税を免れようと企て、売上の一部を除外して簿外預金を蓄積し、あるいは期末たな卸の一部を除外する等の方法により所得を秘匿したうえ、

第一、昭和四〇年分の実際課税所得金額が一八、八七〇、九〇〇円でありこれに対する所得税額は九、〇二六、九九〇円であつたのにかかわらず、昭和四一年三月一五日同都台東区東上野五丁目五番一五号所在の所轄下谷税務署において、同税務署長に対し、課税所得金額が零で納付すべき所得税額も零である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて右の正規の所得税額を法定の納付期限までに納付しないで免れ、

第二、昭和四一年分の実際課税所得金額が三〇、二六六、八〇〇円でありこれに対する所得税額が一五、七六〇、九九〇円であつたのにかかわらず、昭和四二年三月一〇日前記下谷税務署において、同税務署長に対し、課税所得金額が五、三二九、五〇〇円で、これに対する所得税額が一、七八五、八四〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて右年分の正規の所得税額と申告税額との差額一三、九七五、一五〇円を法定の納期限までに納付しないで免れ、

第三、昭和四二年分の実際課税所得金額が四一、九〇四、〇〇〇円であり、これに対する正規の所得税額が二三、三〇六、四〇〇円であつたのにかかわらず、昭和四三年三月一一日前記下谷税務署において、同税務署長に対し、課税所得金額が七、三五〇、〇〇〇円で、これに対する所得税額が二、七四三、八〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて右の正規の所得税額と申告税額との差額二〇、五六二、六〇〇円を法定の納期限までに納付しないで免れ

たものである。

(判示各事業年度の所得の確定の内容は、別紙第一、第二、第三の修正損益計算書記載の、課税総所得金額ならびに税額等の計算内容は別紙第四の計算書記載のとおりである。)

(証拠の標目)

一、被告人の当公判廷における供述ならびに大蔵事務官に対する質問てん末書一一通

一、大蔵事務官高田泰作成の売上金額調書、たな卸調査書(七通)、検査てん末書、張加工賃調査書、仕入調査書、経費調査書、歩金調査書、減価償却費調査書、事業専従者給与調査書、自動車売却損失調査書

一、下谷税務署長の回答書

一、台東税務事務所長の回答書

一、大蔵事務官田中隆志の報告書

一、高橋里子の上申書

一、青色申告書提出承認取消の証明書

一、押収してある以下の証拠物件(いずれも当庁昭和四四年押第五七二号、末尾のカツコ内の数字はその符号番号)

銀行勘定帳三冊(1の1、2、3)、金銭出納帳三冊(2の1ないし4)、仕入帳(5の1、2、3)、所得税確定申告書三枚(26の1、2、3)、青色申告者書類提出綴一綴(27)

(法令の適用)

各事実につき、所得税法二三八条(情状により各罪につき懲役刑と罰金刑を併科)。

併合罪加重につき、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条二項。

換刑処分につき、刑法一八条。

刑の執行猶予につき、刑法二五条一項。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 小島建彦)

別紙第一

修正損益計算書

高橋成治

自 昭和40年1月1日

至 昭和40年12月31日

<省略>

別紙第二

修正損益計算書

高橋成治

自 昭和41年1月1日

至 昭和41年12月31日

<省略>

別紙第三

修正損益計算書

高橋成治

自 昭和42年1月1日

至 昭和42年12月31日

<省略>

別紙第四

課税総所得金額及び逋脱税額計算書

(1) 昭和40年度

<省略>

(2) 昭和41年分

<省略>

(3) 昭和42年分

<省略>

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